サーキット写真

オートポリス

2021年 10月23日(土) ~ 24(日)

参加者

  • 田島 厚福岡日産自動車株式会社
  • 宮山 聖矢株式会社日産サティオ佐賀
  • 木下 拓哉日産プリンス長崎販売株式会社
レース写真レース写真

予選

天気:晴れ 気温:14度 路面状況:ドライ

2021年SUPER GTシリーズの第6戦が大分県のオートポリスで開催された。開催直前に阿蘇山が噴火して影響が心配されたが、レースは予定通り行われた。昨シーズンは新型コロナウイルス感染拡大防止対策によりオートポリスでの開催が見送られたため、九州での開催は2年ぶりとなった。
第5戦で、見事3位と表彰台を飾りシリーズランキングも2位の好ポジションに付いている56号車は、100kgものサクセスウェイトを搭載して第6戦に臨んだ。今回は九州から3名のテクニカルスタッフが参戦。レースウィークをチームと共に過ごした。
10月23日の予選日は、風があるものの爽やかな秋晴れとなった。公式予選Q1ではオリベイラ選手がアタック。Q1通過条件の上位8台以内を目標に走るが、惜しくも約0.08秒差で9番手。Q2進出はならず、決勝は18番手と後方からのスタートとなった。

レース写真レース写真

決勝

天気:晴れ 気温:13度 路面状況:ドライ

10月24日午後、第6戦決勝が行われた。18番手でのスタートとなる56号車には藤波選手が乗り込み、7周目に12位まで浮上する走りを見せる。しかしその後、レースは波乱の展開となる。8周目に他車両がクラッシュしたことで、即座にフルコースイエローとなりセーフティーカーが導入。16周目にリスタートするものの、その翌周に再びクラッシュが発生し、2度目のセーフティーカーが導入される。23周目に2度目のリスタートが切られ、多くの車両がピットインを行うが、56号車はコース上に留まり周回を重ねる作戦に出る。
56号車は30周目でピットインを遂行するが、左前のタイヤ交換作業でアクシデントが発生。メカニック陣の冷静な対応により、なんとかコースに復帰するものの、その後のコーナーでコースアウトしたこともありポジションダウンを喫する。37周目時点で23位となるも、果敢な走りを披露し順調にポジションを上げ、11位でチェッカーを受けた。アクシデントに見舞われながらもチーム全員が最善を尽くし、ポイントランキング2位をキープすることができた。
テクニカルスタッフが次に参戦するのは富士スピードウェイで行われる第8戦。今シーズン最終戦となる。

藤波選手のコメント

藤波選手のコメント

レギュレーションの関係で今回は厳しいレースを強いられました。
また、100Kgのサクセスウェイトも載せていたので、その点も厳しかったです。

KONDOレーシングスタッフのコメント

KONDOレーシングスタッフのコメント

今回のオートポリス戦は波乱の結果で終わりました。
決勝レースではレース序盤でセーフティーカーが入りましたが、まさかこんなに早く入るとは思いませんでした。
またその間にタイヤが冷えてしまった車両のタイヤが外れてしまうというアクシデントもあり、他チームではありましたが、胸がえぐられるような気持ちでした。
アクシデントを乗り越え、56号車が最後まで無事に完走できて良かったです。

整備士インタビュー

  • 田島 厚

    田島 厚

    福岡日産自動車株式会社

  • 宮山 聖矢

    宮山 聖矢

    株式会社日産サティオ佐賀

  • 木下 拓哉

    木下 拓哉

    日産プリンス長崎販売株式会社

福岡日産自動車株式会社

田島 厚

Round.6
2021年 10月23日(土) ~ 24(日)
オートポリス

田島 厚

「心を強く持つ」「心をまっすぐに」

初日からレースメカニックのシビアな調整を目のあたりにして、驚きとともに日常の自分の仕事にももっとこだわりを持とうと強く思った。100分の1ミリ単位の微細なアライメント調整が行われていたが、決して妥協しない姿勢はぜひとも見習いたい。
ピット作業ではタイヤのメンテナンスを担当した。今までタイヤの重要性をここまで意識したことがなかったが、とてもデリケートで大事なものだと改めて感じ、私自身のタイヤの見方も変わった。
チームは20代〜50代と年齢幅は広いが、勝利のために全員が同じ方向を向き、全力で頑張っている姿が印象的だった。正確かつ迅速なチームプレイは、実際にその場で見ると感動すら覚える。自分の店舗でもいままで以上にチームワークを強くしていきたいと思わざるを得なかった。
この一週間、見たり聞いたり体験したりさまざまなことを学んだ。その中で私の胸に刺さった言葉がある。「心を強く」「心をまっすぐに」という言葉だ。どんな過酷な状況でも諦めない強さ、常に素直に反省し、目標に向かってひたむきに努力する姿勢。メカニックチャレンジでの貴重な体験と、この2つの言葉をこれからの整備士人生の糧にしていきたい。

田島 厚
田島 厚

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株式会社日産サティオ佐賀

宮山 聖矢

Round.6
2021年 10月23日(土) ~ 24(日)
オートポリス

宮山 聖矢

予想以上の経験だった。

速く安全に走るためのミリ単位のアライメント調整や、内圧などタイヤコンディションの調整が、状況に合わせその都度細かくシビアに行われる。あらゆるネジやボルトはひとつひとつトルクレンチを使用しマシ締めを行うなど、徹底的にトルク管理されていた。一般車両では考えられないようなレベルが要求される世界だった。
スーパーGTではピットイン時に同時に作業できるメカニックは5名まで、タイヤ交換は2名以内と決められている。限られた少数メンバーで、与えられる時間はわずか。コンマ何秒を競うレースでピットワークは、順位に大きく影響する。メカニックのムダのない連携なくして勝利はない。そのためには一人一人が自分の仕事を時間内に正確に終わらせることが必要だ。当たり前のことをきっちりできることこそ本物のプロだと感じた。このようなチームワークと作業の連携づくりは、早速自分の業務にも活かしていきたいと思う。
間近で体感したレースの厳しさや独特の緊張感は、テレビやネットでは感じることができない最高の経験だった。「日産メカニックチャレンジ」でしか出会えないこの経験を一人でも多くの人に味わって欲しいと思う。

宮山 聖矢
宮山 聖矢

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日産プリンス長崎販売株式会社

木下 拓哉

Round.6
2021年 10月23日(土) ~ 24(日)
オートポリス

木下 拓哉

ここで本物の仕事と出会った。

事前整備の初日にファクトリーへ足を踏み入れた時、あのGT-R 56号車が目の前にあるのを見て感激した。これから一週間、このスーパーGTマシンと一緒に過ごすのだと思うとゾクゾクしてきた。事前整備とピットでの整備で、アライメント調整のほか、ボディパーツの脱着、タイヤの交換や管理など、多くのことを体験した。どの整備もレース車両ならではのノウハウや取り組み方があり、驚きと学びの連続だった。
その中で、特に強く印象に残ったのはメカニックの方たちの責任感とプロ意識だった。
整備作業の正確さについて「自分たちはミスをしないのが当たり前。もしミスをしたらクビになる覚悟でやっている。」と話してくれた。
レースでは、わずかなミスでもドライバーの命に関わる大事故につながってしまう。
また作業スピードについて、「レースの走りで1秒の遅れを取り戻すのは至難の業だが、メカニック作業で完璧な動きをすれば1秒を取り戻すことができる。」
そう話してくれたメカニックの方は、日々イメージトレーニングを行ない、自分の整備作業を動画に撮って確認するなど、作業スピードをアップする訓練を常に続けているという。
そこにはレースの安全と勝利のために、覚悟をもって真剣に戦う姿があった。本物の仕事とは、こういうことなのだと改めて気づき、大きな感動を覚えた。

木下 拓哉
木下 拓哉

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