サーキット写真

スポーツランドSUGO

2021年 9月11日(土) ~ 12(日)

参加者

  • 平山 迅修株式会社日産サティオ弘前
  • 佐藤 輝喜日産プリンス宮城販売株式会社
  • 加藤 諒也日産プリンス秋田販売株式会社
  • 志田 宗一郎日産プリンス栃木販売株式会社
レース写真レース写真

予選

天気:くもり 気温:24度 路面状況:ドライ

SUPER GTはシーズン後半戦に突入し、第5戦が宮城県のスポーツランドSUGOにて開催された。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により開催が見送られたため、2年ぶりのスポーツランドSUGOでの開催となった。
また、今回は日産販売会社のテクニカルスタッフ4名が参加。レースの1週間前からKONDO RACINGチームに合流し、共に大会に備えてきた。
9月11日、これまでより更に厳格な感染拡大防止策が敷かれる中で予選が行われた。前回の第3戦で18番手スタートからアクシデントに見舞われながらも、見事な追い上げで8位入賞を果たした56号車。ポイントランキングでは2位につけ、シリーズ優勝に向けて良いポジションを維持している。第5戦ではサクセスウエイト81kgを搭載しながらも、シリーズ終盤戦に向けて少しでもポイントを獲得するべく上位入賞を目指す。
朝の公式練習では、藤波選手、オリベイラ選手の両選手が交代で56号車に乗り込む。レースに向けてセットアップのメニューを順調にこなし、6番手となる1分18秒940のタイムをマークした。
午後の公式予選。Q1のB組で走る56号車は、オリベイラ選手が担当し、Q1通過条件の上位8台を目指しアタックした。序盤でタイヤを十分に温め、計測3周目にアタックラップに入り1分18秒561をマーク。更に翌周には1分18秒371をマークし、見事7番手で通過した。続いて、予選Q2は藤波選手が乗り込み、アタックラップ2周目に1分18秒456をマーク。81kgのウエイトを抱えながらも10位を獲得した。明日の決勝レースは、表彰台獲得のチャンスも期待できるポジションから追い上げを狙うこととなった。

レース写真レース写真

決勝

天気:晴れ 気温:29度 路面状況:ドライ

9月12日、決勝。前日のくもり空から一転、夏日のような晴天に恵まれた。20分間のウォームアップを終え、午後1時半に83周のレースがスタートした。
全レースに続き藤波選手がファーストスティントを務める56号車は10番手でスタート。オープニングラップの混戦を落ち着いてクリアし、10位のポジションをキープしたまま周回を重ねた。12周目には、9位とポジションを1つ上げ、そのまま順調に周回を重ねていった。
32周目、ルーティンワークのため56号車はピットインを遂行。ドライバー交代を行い、メカニックのワンハンドによる素早いタイヤ交換作業を経てオリベイラ選手をコースへ送り出した。
レース後半は波乱の展開となった。44周目に最終コーナーでGT500クラスの車両が出火し、セーフティーカ―が導入される。このアクシデントによりこれまでのマージンがほぼなくなり、56号車にとって好機が訪れる。このチャンスを逃さず、オリベイラ選手は上位の車両を猛追する走りを見せ、57周目には4位に浮上。
終盤ではGT300クラスの上位陣のアクシデントが発生し、56号車は3位に浮上。そのまま3位でチェッカーを受け、今季2度目の表彰台を獲得。ポイントランキングも2位を保ちつつ、トップとの差を1ポイント差に縮め、2連覇に向けて貴重なポイントを獲得する事に成功した。
第6戦は、 10月23日、24日に2年ぶりの開催となる大分県、オートポリスで開催される。

藤波選手のコメント

藤波選手のコメント

今回は日産販売会社から4名のTS(テクニカルスタッフ)がNMCに参加してくれていますが、こういった機会は中々ないですし、レースでは色々なことが起こります。
そのような普段味わえない環境下で、皆で力を合わせ良い結果を出せました。
今回のレースはウェイトが重いこともあり、予選は大変厳しい戦いでしたが、決勝では3位にはいれて本当に良かったです。

オリベイラ選手のコメント

オリベイラ選手のコメント

ハンディウェイトは81Kgもありましたが、マシーンの調子は良かったと思います。
Q1では藤波選手に繋げることが最大の目的でしたが、それが出来て良かったです。
決勝ではピットストップタイミングやタイヤの調子が良かったですが、気温が予想以上に高かったため、特にタイヤコンディションに注意して走りました。結果が出てとても嬉しいです。

整備士インタビュー

  • 平山 迅修

    平山 迅修

    株式会社日産サティオ弘前

  • 佐藤 輝喜

    佐藤 輝喜

    日産プリンス宮城販売株式会社

  • 加藤 諒也

    加藤 諒也

    日産プリンス秋田販売株式会社

  • 志田 宗一郎

    志田 宗一郎

    日産プリンス栃木販売株式会社

株式会社日産サティオ弘前

平山 迅修

Round.5
2021年 9月11日(土) ~ 12(日)
スポーツランドSUGO

平山 迅修

感動のチーム力。

ファクトリーでの事前整備、サーキットでの本番を通して、とても勉強になった。いろいろな質問にも丁寧に説明していただき、整備の幅広さ、奥行きの深さを実感した。ピットワークではタイヤの空気圧管理が緻密だったことが印象に残っている。レースではマシンの性能と引けを取らないくらい重要な作業だと知った。
今回メカニックチャレンジに参加して良かったことは、まず知識が増えたこと、そしてチームワークの必要性を感じたこと。ピットではメカニックの連携が見事で、みんなでいい仕事をしようという気持ちがにじみ出ていた。一人一人が常にスキルを高め、目標に向かって突き進む。私の普段の業務でも見習いたいと強く思った。
チームを仕切る人、活を入れる人、丁寧に教える人、気遣う人、緊張をやわらげる人…
作業の連携という点だけでなく、思い合い助け合う絆で結ばれチームとしてできあがっている。この素晴らしいチーム力に心打たれたと言っても過言ではない。一瞬でもこのチームの輪に入れたことは最高に幸せだった。
非日常のレース体験、ピットクルーの連携、レースが終わるまでの緊張感、これらを体験すると仕事への取り組み方も変わってくるはず。ぜひ多くのテクニカル・スタッフにメカニックチャレンジに参加することをお勧めしたい。

平山 迅修
平山 迅修

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日産プリンス宮城販売株式会社

佐藤 輝喜

Round.5
2021年 9月11日(土) ~ 12(日)
スポーツランドSUGO

佐藤 輝喜

整備の本質が見えてきた。

私の今後の整備士人生においてとても価値のある一週間だった。整備にはひとつひとつに理由があり、なぜこの作業が必要なのか、作業を怠るとどうなるのか、しっかりと肝に銘じた。やはり基本的なことが、最も大切なことだと強く再確認できた。後輩たちにも必ず伝えていかなければならないことだ。整備の意味がわかると、おのずと車との向き合い方がハッキリ決まる。トルク管理や各部の調整、あらゆる作業が丁寧に正確になっていく。まさに整備士の秘伝を授かったような気がした。
レースメカニックの凄いのは、さまざまなシチュエーションを想定した細かなピット作業の練習が並大抵ではない。何度も繰り返され、とてもストイックなことに驚いた。素早さと正確性を両立するためには、日々の練習なくしては達成できないのだと改めて思い知らされた。
レースが終わっても素晴らしいシーンを見た。決勝後、チーム関係者全員が「ありがとう」と讃え合っていた。お互いをリスペクトしているからこそ自然にその言葉がでてきたのだろう。チームワークとはこういうことを言うのだと確信した。
レース現場を肌で感じることは、とても勉強になった。整備士に響く内容ばかりで、明日からの仕事が楽しみになってきた。

佐藤 輝喜
佐藤 輝喜

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日産プリンス秋田販売株式会社

加藤 諒也

Round.5
2021年 9月11日(土) ~ 12(日)
スポーツランドSUGO

加藤 諒也

レース車両整備で学んだ多くのこと。

日産メカニックチャレンジでは、自分たちが通常手がける整備や車両とは異なった新しい発見がたくさんあった。
特に印象に残ったのはタイヤ交換だ。普段からやっている作業なので簡単に考えていたが、作業スピードを求められたとたんにハードルが高くなった。ピットインの時に一瞬の速さで行うタイヤ交換は、奥が深く、実際にやってみるとかなり難しい。また、タイヤの空気圧調整もいつもの整備とまったく違っていた。タイヤ内の空気が熱で膨張しにくいように、乾燥した空気を注入する。しかも、ゆっくりと丁寧に何度も空気を出し入れして正確な内圧を設定していた。
その他にも主に足回り関連で、レース車両ならではの整備ノウハウを数多く学んだ。これらは一般車両の整備にそのまま活用はできないが、整備の質と技術を高めるための良いヒントになると感じた。
また整備への取り組み方も参考になった。レーシングチーム内では、スタッフ同士が積極的に意見を出しながら車を作り上げていく。自分の考えを互いに言い合う環境はとても大切だ。自分の職場でも、もっとコミュニケーションを交わしやすい環境を意識していきたいと強く思った。

加藤 諒也
加藤 諒也

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日産プリンス栃木販売株式会社

志田 宗一郎

Round.5
2021年 9月11日(土) ~ 12(日)
スポーツランドSUGO

志田 宗一郎

レーシングマシンを整備する歓び。

サーキットに入る前の事前整備では、アライメント調整やアンダーパネルの取り付け作業を体験した。ミリ単位で調整するシビアさに、一般車両整備との違いを感じた。サーキット入りしてからは、タイヤのエア圧を、気温、湿度、路面温度に応じてキメ細かく調整していて、レースにおけるタイヤ管理の大切さを知った。
整備作業中は、ひとつの作業が終わるたびに、大きな声で報告を行っていた。特にピット内は周囲の音が大きいので、しっかりとした声出しと手を挙げるなどの合図は、安全のためにも重要だと感じた。作業完了を明確に伝えれば、次の作業に素早く移るためのリズムも生まれてくる。またチームメカニックの方の高い整備スキルに驚いたのはもちろんだが、その作業にどんな意味があるのか、常に考えながら取り組んでいる姿勢を見習いたいと思った。
プロジェクトの一週間を通して、レースの感動とともに、チームメカニックの方たちの熱い思いや団結力の強さを肌で感じることができた。
決勝レースは、3位表彰台という素晴らしい結果だった。自分が携わったマシンが力強い走りを見せてくれた歓びは、観戦だけでは決して味わえない。この感動を会社の後輩たちにも伝えたいと思った。

志田 宗一郎
志田 宗一郎

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