「ホイールハウスの部品など実はカーブが結構丸いんです。マーチの部品を使うと丸くなる部分がでてきてしまうんですよ」と、桑原はその苦労を語ります。
さらに、一箇所だけ丸いパーツを使えばいいというわけでもないそうで、一部を丸くするとほかの部分も丸くする必要に迫られるなど、そのデザインは簡単な作業ではなかったようです。そして、桑原はこのように続けます。
「丸さを作るときに、ワーゲンのバスみたいな感じにしたいな、と思って会社の帰りに夜な夜なワーゲンのお店に行って実際に触ってみたんですよね」
なるほど、たしかにワーゲンのバスにも独特の丸みがありますね。実際に手で触れるという作業を経て、桑原にはキューブのためのアイデアが生まれます。こうして、キューブにもやさしい丸みがつけられたというわけです。ちょっとしたカーブひとつにもクリエイターのこだわりが息づいているんですね。