GT-R注意事項

タイヤ、ロードホイール:GT-R専用純正タイヤ、ロードホイール

タイヤ:

GT-R専用純正タイヤは、一般に市販されているタイヤに比べて、超高速走行時やパンク時のタイヤの動半径変化が非常に少なく、安定性を確保した専用設計の特殊高剛性ランフラットタイヤです。

  • GT-R専用純正タイヤ以外を使用すると、パンク時にタイヤの動半径差による4輪の回転ズレが生じ、パワートレイン系部品(※1)の破損や、安全に停止できないなどのおそれがあります。

  • GT-R専用純正タイヤ以外を使用すると、スポーツ走行などのコーナーリング時に、著しく高い荷重が加わったとき、タイヤのたわみにより動半径差が生じ、パワートレイン系部品(※1)を破損するおそれがあります。

  • GT-R専用純正タイヤ以外を使用すると、高速走行時にスタンディングウェーブ現象が発生するおそれがあり、また、VDC制御が保証されません。

※1:パワートレイン系部品

フロント・リヤデファレンシャル、4輪駆動のトランスファーカップリング フロントプロペラシャフト など

タイヤ交換について

  • タイヤ交換するときは、4輪とも同時に行うことをおすすめします。

  • GT-R専用純正タイヤはランフラット構造を採用しており、サイドウォールが非常に硬いため、タイヤ交換には特殊な技術と設備が必要です。タイヤ交換はNHPC又はNISSAN GT-R特約サービス工場にて実施してください。

  • 一度ロードホイールから外したタイヤを再度ロードホイールに組み付ける場合、レバーレスオートマチックタイプなどのタイヤチェンジャーを使用し、且つタイヤビード部に亀裂・変形がない場合に限り再使用することができます。

    レバータイプのタイヤチェンジャーを使用すると、タイヤビード部に亀裂・変形が生じる場合があるため、再使用できません。

    外観に異常がなくても、再使用すると安全性が損なわれたり事故の原因になるおそれがあります。

    タイヤの再使用については、NHPC又はNISSAN GT-R特約サービス工場にご相談ください。

  • 逆輸入タイヤでもタイヤ交換は可能ですが、タイヤに起因する不具合に関しては保証の対象になりません。(右ハンドル車用と左ハンドル車用では、タイヤ特性が異なります。また、タイヤの長期在庫保存の影響で性能が劣化しているおそれがあります。)

ホイール:

  • GT-R専用純正ホイール以外ではパンク時のタイヤ外れや精度不足による振動の発生、ブレーキシステムから発生する熱による締結力低下が発生するおそれがあります。

ブレーキパッド、ディスクローター

GT-R専用純正ブレーキパッド、ディスクローター(セット交換)

  • GT-Rのブレーキは、鋳物素材からフローティング構造、冷却性能まで厳密に開発され、高速からもごく短距離で止まれる強い制動力と、スポーツ走行においても700℃近い高温で使える高性能なブレーキ仕様となっております。

    また、ブレーキパッドとディスクローターの寿命を従来より向上させるために、ディスクローターは日産開発の大径・薄肉仕様とし、ブレーキ時の熱を効率よく放熱できる構造としています。

    純正品以外を使用すると、精巧なブレーキバランスが崩れ、ABS・VDCの制御機能の不具合だけでなく、ブレーキパッド、ディスクローターのかじりや破損による重大な事故につながるおそれがありますので、GT-R専用純正ブレーキパッド、ディスクローターを必ず使用してください。

    注意:

    • 強力な停止性能と高温での耐フェード性能向上を得るために、ほぼレーススペックのブレーキ仕様となっています。安全にご使用いただくために、部品交換については必ずNHPC又はNISSAN GT-R特約サービス工場で実施してください。

    ブレーキパッドとディスクローターの交換に関して

    • 原則としてブレーキパッドのみ4輪セット交換が必要になりますが、GT-R認定T/Sがブレーキパッドとディスクローターをセットで交換が必要と判断した場合は、ブレーキパッドとディスクローターを4輪セットで交換してください。

    ディスクローター交換が必要な場合

    • 同一のディスクローターに対して2度目のブレーキパッド交換を行う場合

    • ディスクローター表面に亀裂(特に冷却孔部4mm以上など)があり交換基準に達していた場合

    • ディスクローター表面の反りや荒れ、深さ0.2mm以上のレコード溝などが発生し、交換基準に達していた場合

    • 制動時にブレーキジャダーが発生している場合など

    前輪ブレーキパッドのみの交換に関して

    • サーキットでの走行履歴がなく、前輪ブレーキパッドのみ著しく摩耗している場合に限り、GT-R認定T/Sの判断により前輪ブレーキパッドのみの交換が可能になる場合があります。

  • 冬場の寒い時期に高負荷のブレーキを繰り返すことで、ディスクローターの内部が冷えた状態で表面が熱くなるような場合や、サーキットなどの走行にて高負荷のブレーキを繰り返すことで、ディスクローター表面の冷却穴付近に亀裂が発生する場合があります。亀裂の状態によってはディスクローターやブレーキパッドの交換が必要になる場合がありますので、NHPC又はNISSAN GT-R特約サービス工場にご相談ください。

エキゾーストマフラー:GT-R専用純正ステンレス製デュアルエキゾースト★、GT-R 専用純正電子制御バルブ付チタンマフラー★及びトランクカーペットの取り扱い

GT-R専用純正ステンレス製デュアルエキゾースト★:

  • GT-Rは排気抵抗が極めて低いGT-R専用純正ステンレス製デュアルエキゾースト★に合わせて、エンジンのセッティングを行っているため、排圧抵抗が異なる排気系部品を取り付けた場合、エンジンのマッチングに不整合が生じ、特にターボの回転数に影響を及ぼし、ターボチャージャーのオーバーシュートを引き起こしてターボ本体やエンジン内部、トランスミッションなどのパワートレイン系部品を破損するおそれがあります。

  • 高い排気温度をエキゾースト系全体で熱分散させることに加え、断熱吸音材入りのマフラーを採用しているため、純正部品以外のエキゾースト部品を使用すると放熱バランスが崩れ、マフラーや屈曲部に熱が集中し、周辺部品に熱害が生じるおそれがあります。特に、メインマフラーはアンダーカバーで覆われているため、断熱材のないマフラーを使用した場合は、トランクルームやバンパー部、アンダーカバー、リヤコンビランプなどに熱による変形などの不具合が生じるおそれがあります。

GT-R専用純正電子制御バルブ付チタンマフラー★:

  • 高性能エンジンで排気温度が高いため(1,000℃以上)、純正品以外を使用するとマフラーが変形し、アンダーカバーなどが損傷するおそれがあります。

  • 高い排気温度に耐えうる強度・クリープ特性を確保するため、純正品には最高級チタン合金を使用しています。

  • 材料にチタン合金を使用しているため、走行条件により表面色が独特の色合いに変化しますが、異常ではありません。

  • GT-Rは、工場出荷前に全車エンジン・トランスミッション・クラッチの合わせ込みやブレーキ焼き入れ走行を行っているため、車両によりマフラーの表面色が異なる場合があります。

また、トランクカーペットはマフラーの断熱、トランスミッション系の遮音を兼ねて設計しているため、フロアカーペットと同様にスポーツ走行など、いかなる場合でも取り外さないでください。

カーボン製部品の取り扱い

GT-Rのカーボン製部品は材質上、紫外線により黄色く変色する場合があります。

GT-Rのカーボン製部品表面には紫外線をカットする特殊塗装が施してあり、そのお手入れ方法が重要です。

  • カーボン製部品のクリア塗装部位(NISMO仕様車のバンパー、サイドシルプロテクター、リヤスポイラーなど)には、コンパウンド(研磨剤)を使用しないでください。

  • カーボン製部品のマットクリア塗装部位(リヤディフューザー、NISMO仕様車以外のリヤスポイラーなど)には、ワックスやコーティング剤、コンパウンド(研磨剤)など全てのケミカル用品を使用しないでください。

  • お手入れが必要な場合は中性洗剤を薄めて使用してください。

カーボン製部品について

GT-Rに採用しているカーボン製部品は、高品質確保を目的として特別な製法・プロセスで生産数に限りがあり、補修部品の供給には時間がかかることがあります。

NISMO専用特別塗装色(マット塗装)の取り扱い

マット塗装には特別な注意が必要です。お手入れをするときは、以下のことに注意してください。

塗装面を美しく保つために:

  • 塗装面に付着した汚れをそのままにすると、変色など塗装面の質感が悪化する原因となります。汚れが付着したら早めに洗車してください。

  • 素手で触れたり、コールタールなどの油が付着すると光沢が変化します。

  • すす、鳥のふん、樹液、鉄粉、虫などの汚染物が塗装面に付着したときは、すぐに洗車してください。

洗車のしかた:

  • 十分に水をかけながら、湿ったマイクロファイバーの布で汚れを落としてください。

ワックスについて:

  • ワックス、コーティング剤、コンパウンド(研磨剤)などのケミカル用品は絶対に使わないでください。変色するなど塗装面の質感が悪化する場合があります。

自動洗車機について:

  • 自動洗車機での洗車はしないでください。通常の塗装に比べて傷が目立ちやすくなります。

    お手入れについては外装のお手入れ(外装のお手入れ)も合わせてお読みください。

補修について:

  • マット塗装の補修には高度な技術が必要です。また、通常の補修より時間がかかる場合があります。詳しくは、NHPC又はNISSAN GT-R特約サービス工場にご相談ください。

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