モデルチェンジ後のZが「第二の故郷」ともいえるアメリカでも好評をはくしたのは言うまでもない。79年には北米でインポートカーオブザーイヤーを受賞。その新たな方向性がかの地でも高い評価を受けたことになる。
なにより、ロングノーズ、ショートデッキのスタイリング、誰にでもドライブしやすく、そのフィールが単に移動手段の道具にとどまらず、その瞬間を楽しませてくれる要素にあふれ、かつリーズナブルな価格で誰もが手にできること。
国内仕様では認可の問題で採用が先送りになった、スペースセイバーS130(道路状況の好転、タイヤの信頼性の大幅な向上などにより登場した専用スペアタイヤの一種。エアを注入していないタイヤを装着したホイールを納めることでスペースを節約。エアコンプレッサーも装備していた。)も装備され、ラゲッジスペースに195/70HR-14のタイヤを据え付ける国内向けに対し、ユーティリティーも本来の性能をもち、こちらの方が完成形と言えるものだった。こうしたトータルパフォーマンスは初代から引き継がれ、各国のファンの中にさらに深くZは潜航を始めたのである。