
*ASV(Advanced Safety Vehicle)は、21世紀初頭の実用化を目指し運輸省が推進する「先進安全自動車」の研究開発プロジェクトです。
以下では、「ASV」プロジェクトへの日産の参加項目をご紹介します。※は、“CQ−X”搭載項目。
- 居眠り運転警報システム※
ドライバーの居眠り状態を検知し、警報を与えて居眠り運転を防止することを目的としたシステムです。このシステムでは、インストルメントパネルに設置したカメラによりドライバーの顔を撮影し、その画像から目の開閉パターンを分析して居眠り状態を早期に検知します。居眠り状態を検知すると警報音を発します。また、脇見運転も同様に検知して警報を与えます。

- 居眠り状態覚醒システム※
上記システムにより居眠り状態を検知すると、警報音とともに、エアコンを作動させ目覚まし効果のある香りを放出し、ドライバーの眠気の解消をはかることを目的としたシステムです。なお、この香りの吹き出しは、ドライバーが眠気を覚えた時に自らスイッチを操作することによって手動で作動させることもできます。
(注)“CQ−X”は「自動」作動のみ。

- 運転者異常時の緊急停止システム
前記システムによりドライバーに警告を与えたにもかかわらず、引き続きドライバーが危険な状態にある場合に、周囲の車両に注意を促すとともに、車両を停止させて事故を最小限にくい止めることを目的としたシステムです。画像認識技術を用いたドライバーモニターによりその異常状態を検知し、ハザードランプなどで周囲に異常を知らせながら、ブレーキを自動的に作動させて車両を停止させます。また、このシステムは、ドライバー自身のスイッチ操作でも作動させることができます。

- タイヤ空気圧警報システム
タイヤの空気圧が低下している場合に警報装置を作動させ、ドライバーの注意を促すことを目的としたシステムです。タイヤの空気圧の低下を車輪速センサーにより検知し、ドライバーにこれを警告します。

- 撥水ウインドウシステム※
雨天時の視認性向上を目指して新たに開発した撥水効果の高いコーティング技術で、雨滴を球状化させることにより快適な視界を確保することを目的としたシステムです。ガラス表面と化学的に結合する撥水処理を施すことにより、現在市販しているものよりその効果を長期間保持できるようにしました。

- 後続車への緊急制動報知システム
後続車に対して自車の緊急制動を早期に知らせることを目的としたシステムです。ドライバーによる急制動をアクセルペダル操作状況から予測し、ブレーキを踏むよりも早くストップランプを点灯させて後続車に警告します。また後述の「衝突速度低減システム」により自動停止が行われる場合にも、コントローラーからの信号を受けて、早期にストップランプを点灯させます。

- 障害物警報システム※
車両の前方または後側方にいる、他車両または走路上の落下物などの障害物との接近度合いにより、警報装置を作動させドライバーの注意を促すことを目的としたシステムです。前方の障害物に関しては、ルームミラー横に設置したカメラにより走行レーンや前方車両を認識するとともに、車両前部に設置したレーダーにより測定した相対速度/距離と自車の速度とを総合的に判断し、衝突の危険性がある場合、警報装置を作動させます。また、後側方の障害物に関しては、ドアミラー部に設置したカメラによって検知し、車線変更などの際の車両の接近を判断し、警報装置を作動させます。(注)“CQ−X”は「前方」のみ。

- 車間距離制御型定速走行システム
従来の定速走行装置(ASCD)に車間距離センサーやスロットル/ブレーキ・アクチュエーターを追加し、装置作動中に先行車に近づいた場合、自動的に車速を落として適切な車間距離を保つことを目的としたシステムです。このシステムは、ドライバーのブレーキ操作によらず自動的に適切な車間距離を保つよう制御します。

- 衝突速度低減システム
車両前方の走路上にある落下物や他車両などの障害物に対し、ドライバーのブレーキ操作が遅れた場合、ブレーキを自動的に作動させて衝突の速度を可能な限り低減することを目的としたシステムです。このシステムは、障害物警報システムからの信号により障害物への接近をドライバーに警報してもドライバーが回避行動をとらず、このままでは衝突が避けられないと判断した場合、ブレーキユニットを制御し車両を自動停止させるものです。

- サイドエアバッグシステム※
側面衝突時に乗員を保護することを目的としたシステムです。側面衝突を受けたことを検知するセンサーによって作動し、乗員と車体側部空間にエアバッグを膨張させて乗員に加わる衝撃を緩和します。このシステムは、ヘッドレストおよびシートバックにマウントした2つのエアバッグで構成されています。

- 夜間歩行者警報システム※
車両前方の歩行者から放射される赤外線を検知し、ドライバーに知らせることを目的としたシステムです。赤外線センサーにより検知した歩行者のいる方向をインストルメントパネル上部に表示することにより、ドライバーが注意すべき方向を認識しやすくします。

- 事故自動通報システム※
衝突事故発生の際に、車両の位置などの必要な情報を自動的にオペレーションセンターに通報することを目的としたシステムです。事故の発生を衝突センサーが検知し、ナビゲーションシステムにより車両の位置を判断します。そして必要な情報を無線で自動的にオペレーションセンターへ送り、救急車出動などの迅速な対応を可能とします。車載システムは、衝突センサー、車両位置センサー、ドライバー状況入力装置、通信機から構成されており、地上システムであるオペレーションセンターとの無線連絡を行います。



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