マスターテクニシャン File:06

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スピードと正確さを追求し続けメカニックのトップに立つ 日産プリンス名古屋販売株式会社 吹上店 小川 顕央(おがわ けんおう)さん ※2012年1月31日時点での所属店です

2011年全国日産サービス技術大会で優勝を掴む

小川さんはさらっと答える。「1か月半で、200数十問はやりましたね」――この数字は、全国サービス技術大会で小川さんが個人優勝を果たすために費やした練習量。実際に、クルマのどこかを故障させて修理する、を繰り返す練習だ。その膨大な量は、単純計算でも1日5回は行うことになる。

「優勝できるなんて思っていませんでした。自分でもびっくりですよ。会社を背負ってなんて大層なことは考えてなくて。優勝したときも、応援に来てくれた店舗のスタッフや仲間が『わぁ!』っと沸いて、喜んでいる姿を見て、初めて嬉しくなりました」

クールな言葉とは裏腹に、練習量を聞くと、熱が伝わってくる。

「つまずいたところをひたすら繰り返して修得しました。最初は長いなと思った練習期間も終わればあっという間で。今回の技術大会に向けた練習では、要領書に沿った正攻法も身に付くいい機会でした。
私は今まで独学で学んできた整備も多いんです。整備士になった当時はクルマ1台と工具一式が用意され、自分で不具合現象を再現してテスターで反応を確認していく。そんな独学の時間もあったんです。そこから修得した自己流のノウハウもたくさんあります。整備書と実際の故障修理とはやはり違うんです。技術大会に出る課題のクルマは必ずどこかに不具合があり症状が出るので、直せないことはない。でも、実際の不具合は、症状が出ない・原因不明という場合が出てくるんです。不具合現象を再現するのも技術なんですよ」

『全国日産サービス技術大会』は、全国の販売会社の中でも、地区予選を勝ち進み、選抜されたサービススタッフが日ごろの成果を競い合う大会

スピードと正確さ両方を実現する

整備書にとらわれ過ぎない理由のひとつは、お客さまの時間を大切にしたいから、と話す。

「効率を重視する方だと思います。お客さまにとって、しっかり直ったクルマが早く戻ってくるのがベストですから。店舗の中でも、整備は早い方ではないでしょうか。お客さまから「本当に直した?」なんて言われることもあります。もちろんきちんと整備してお返ししていますよ。しかし、もし、スピードだけを取ってしまうと細部がないがしろになってしまうかもしれません。そう思ったときに、スピードを上げるためにどのようにしたらいいか勉強しました。
今は、お預かりしたときの判断も大切にしています。あえて時間をいただいてじっくり修理した方がいい場合や、先に必要な整備を行ってから点検した方がいい場合など。バランスを大事にするようになりましたね。ほかのスタッフとの連携も大事にしています」

お客さまと笑顔で話すために

趣味はバイクでサーキットを走ることだ。GT-R整備の認定資格を持つ小川さんは、サーキット場でGT-Rのお客さまに会うこともあるそう。

「サーキットを走るのも、レースで走るクルマも好きなんです。なので、GT-Rでサーキットに行かれるお客さまの気持ちがよくわかります。そんな話で盛り上がってしまうことも。走行された後は、私に整備を任せてもらい、とてもいい関係になっています。なんでもお話ができるので、お客さまにとっても、私にとっても整備がしやすい環境なんですよ。
GT-Rに限らず、クルマのお話をするときは、お客さまの気持ちになるようにしています。整備士は故障を見慣れてしまっているのですが、お客さまにとって、そうそうあることではありません。故障の内容とともに安心していただけるように伝えています」

小川さんの気さくな人柄は、クルマを預ける側にとって、大きな安心感を与えてくれる。「努力を見せないで、挑戦したいんですよ」とつぶやいた小川さん。どんな難解な修理も、涼しい顔で直してくれるに違いない。

専用のつなぎはGT-R整備の資格を証明する

走っていてちょっとおかしいな、と感じたら、間違いなくどこかに不調が出ています。そこで気づいて入庫していれば、ちょっとした整備で済むはずが、放置することでどんどん被害が大きくなっていく、ということがあるんです。手遅れということも起きかねません。いつもおクルマに乗られているお客さまの感覚ですから、「何かおかしい」は無視せず、ぜひお店でご相談ください!