マスターテクニシャン File:04

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クルマの声や情報から見えない不具合の原因を突き止める名探偵 日産大阪販売株式会社 福島店 諌山 雅行(いさやま まさゆき)さん※2011年9月28日時点での所属店です

恋した女神に導かれ整備士の世界へ

少年時代、諌山さんは恋に落ちた。想い人は、ギリシア神話に登場する女神の名前を与えられた美しいスポーツカー「日産シルビアS13」。女神との出会いが、この世界に入るきっかけになった。日産の整備学校を卒業後、整備士として日産販売会社に就職。

「一台でも多く整備を経験し、早く一人前になりたい――と、燃えていました。ところが、入社二年目に思いもかけぬフロントへの異動を命じられたのです。早く整備の現場に戻って工具を握りたいと焦る日々でした。なぜ僕だけがこんな回り道をしなければならないのか……と。けれど、当時は『回り道』としか思えなかった3年半のフロントでの経験が、今振り返ってみると『あの道を通らなければ今の僕はない』と断言できる、貴重な気づきと学びの日々だったのです」

お客さまに徹底的に鍛えられたのは、整備士として必要な「目」と「耳」だったと諌山さんは当時を振り返る。

「あるお客さまには、きれいに磨き上げたクルマを前に、『灰皿に入っていた匂い玉をなぜ勝手に捨てたん!』とお叱りを受けました。『あの匂い玉、ごっつう気に入って大事に使っとたんや!』と。お客さまの乗り方、愛車への想い、こだわりをきちんとキャッチしたうえでクルマと向き合わなければ、満足いただくことはできないんだ、ということを強烈に学んだ瞬間でした。そんな経験を積んでから整備の現場に戻ったとき、クルマの向こうに今まで見えていなかった『お客さま』の姿がしっかりと見えるようになったのです」

不具合の原因に、最短かつ確実に行きつく道を見つけ出す

お客さまの立場に立ち、声をしっかりと聞くこと。そしてもうひとつ、整備士が聞きもらしてはならないのは、「クルマの声」だと諌山さんは語る。

「たとえばコンピュータの診断機をクルマにつないだ際に出てくる膨大なデータは、クルマが発する『言葉』です。もらさずに聞きとり、その声をヒントに不具合のありかを探っていく……ロールプレイングゲームの攻略に似ているかもしれません。不具合が最後に倒すべきボスだとしたら、そこに最短かつ確実に行きつくための道を探すのです」

不具合という「敵」は簡単には姿を現さない。なかでも難解なのが、電気系統に身をひそめている敵。しかしそれは諌山さんがもっとも得意とする分野でもある。

「電気関係の整備の難しさは、目に見えないところにあります。たとえばパワーウィンドウが動かないのは、モーターに原因があるのか、スイッチなのか、制御しているコンピュータのせいなのか、目をこらしても見えません。だから、テスターをあてながら、不具合の場所を探っていくわけです。確かに難しい。けれど、整備した結果、直ったか否か、その答えが明らかにバシッと出る――その喜びの瞬間を確実に味わえるのも電気系統の面白さでもあるのです」

愛用のテスターは、実は整備学校時代に実習で自らが組み立てたもの

クルマの「声」をお客さまに伝える

整備を完了すれば「終わり」ではない。整備結果を自らの「言葉」でお客さまに伝え、納得いただいたうえでお引き渡しするまでが整備士の仕事だ。

「断言します。僕ら整備士の『声』にしっかり耳を傾けてくださっているお客さまのクルマは、絶対に調子がいいのです。なぜなら、プロの整備士は、壊れた箇所だけを直すのではなく、安全かつ快適に乗り続けるための『先まで』診断し、その結果をお客さまにアドバイスするからです。お客さまが聞くことができない『クルマの声』を聞き、それをわかりやすく確かに伝えられる整備士でありたい――お客さまから多くのことを教えていただいたからこそ、お客さまにお返ししたいのです」

話題の日産リーフ。僕も試乗してココロをわしづかみにされました。
試乗車をご用意しています。ぜひ、そのパワーを確認してください。
もちろん、整備は僕らにおまかせを!

高圧の電気が流れる線に触れる際は、専用の絶縁手袋と眼鏡を装着