97年ルマン24時間レースを控えたサルテサーキットは、静かな時を刻んでいる。 ミュルサンヌの森に潜むという魔物が、1年の眠りから覚めるにはもう少し時間がかかるようだ。 ミュルサンヌからインディアナポリスへ、そしてポルシェカーヴ。時速100km/hにも満たない速度の乗用車など、魔物にはお呼びでないらしい。我々を乗せた車はそれでもタイヤをきしませながら、想像以上にきついコーナーをまがり、サルテサーキットに滑り込んだ。 静かなパドックの片隅で、NISSAN、ポルシェ、チームBMWのトランスポーターだけが、長い旅を終えて息を切らしている。時間に厳しい(神経質の?)日本、ドイツチームが演じた最初のトップ争いは,かつて全日本ツーリングカー選手権でユニークなピットクルーが「一番」と染め抜かれたハチマキで参戦しBMW(シュニッツァー)ではなく、昨年のICHIBAN(NO.1)、ポルシェでもなかった。