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エンジン
V型エンジンの左右バンクそれぞれに装着されたターボチャージャーは日産がレーシングマシンで永年コラボレートしてきたIHI製を選択した。3.8Lという排気量の余裕を活かして低速トルクを確保した上でエキゾーストマニホールドとターボチャージャーを一体化。さらに、吸排気容積の最適化、インタークーラーの大型化と冷却効率の向上、電子制御による過給圧コントロールの高精度化などによりターボのタイムラグを感じさせないトルクの立ち上がりを実現させた。
可変ジオメトリーやツインスクロールといった手法はあえて取らず、極めて緻密な正攻法の技術を積み重ねたターボチャージャーである。
トランスミッション
サーキットでの高速コーナリング時などの高G条件下でも、安定して潤滑を行えるよう、トランスミッションオイルをギヤへ直接噴射するドライサンプ ルブリケーションシステムを採用。信頼性を高めるとともに、オイルレベルを下げることでフリクションを低減し、動力性能、燃費性能を向上させている。
また、トランスミッションに直接取付けたヒートエクスチェンジャーに冷却水を導入することで、トランスミッションオイルを最適な温度にコントロール。
トランスミッションが冷えている場合は温めることでフリクションを低減し燃費の向上を、逆にトランスミッションが熱くなっている場合は冷やすことで信頼性を高めている。
トランスミッションオイルは、デュアルクラッチの摩擦特性とギヤ・ベアリングの潤滑性といった相反する要求を両立し、優れた熱安定性と耐摩耗性を持つ専用開発の「トランスミッションオイルR35スペシャル(100%化学合成オイル)」指定とした。
また、これまでNISMOがモータースポーツ用としてラインアップし、高性能を実証してきたデフオイル「MOTUL製 NISMO COMPETITION OIL」を全車標準設定とした。
※2012model以前の車両には、従来のカストロール製オイルも継続設定していますが、より高い性能を実現するためMOTUL製デフオイルを推奨します。
ボディ
300km/hでも安心して真っ直ぐ走ることができ、サーキットでも正確なコーナリングが可能。
そして、タイヤの偏摩耗などを起こさないシャシージオメトリー(サスペンション、タイヤ)、300km/hでも安心して走れる振動レベルを達成するパワートレインジオメトリー、300km/hで風漏れせず、250km/hまでウインドウ昇降可能なドアを実現するために、極めて高精度な管理公差でボディをつくりあげている。
また、完成したボディは一台一台その剛性と減衰性を保証するため、全数車体加振検査を実施。2012modelでは、剛性を検査するセンサーと減衰性を検査するセンサーそれぞれの計測点を変更することで、さらに厳密な品質管理を実現。高度な性能が保証されたボディだけをお届けするGT-Rならではのクルマづくりである。
●アルミハニカム入りカーボンコンポジット製ストラットサポートバー
●ダッシュボード部サポートメンバー
●カーボンコンポジット材のラジエータコアサポート
●ストラットハウジングはシェル形状のアルミダイキャスト製とし、
フロントサイドメンバーに連結ストラットから入力される荷重を分散
●アルミダイキャスト製ドアインナーでドアまわりの骨格を強化
250km/hでウインドウの昇降ができる剛性を確保
●リヤシートバックもアルミダイキャスト化
●一体型ルーフインナー構造でルーフ部分も骨格化
●フロントアンダーカバーは3分割構成で設定
●リヤディフューザー前側は日産初のカーボンSMC素材を採用
エキゾーストまわりの耐熱性を高めた
●カーボンコンポジット材のリヤディフューザー
●フロント/リヤサスペンションメンバーは6点マウントとし結合部分の剛性アップ
●アルミダイキャスト製トンネルステー
サスペンション・タイヤ・ブレーキ
プレミアム・ミッドシップパッケージが提供する4輪接地荷重の最適バランスを生かし、サーキットでのスポーツドライビングから雨や雪道の高速ドライブ、そして市街地やリゾートでのGTクルーズまで、あらゆるシーンで「走り・曲がり・止まる」を高次元でつくり出す高性能サスペンション。そのフロントには、ボディスタビライザー機能を持つパイプ一体構造の高剛性メンバーに支持されたダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用した。キャンバー角、キャスター角、トー角など、アライメントの高精度化を追求し、GT-Rの超高性能による大入力を受けた際にもタイヤのポテンシャルを最大限に発揮する。また、スプリングはレーシングカー並みの精度管理を行った高精度バネレート変化型スプリングを採用。ショックアブソーバーは剛性の高いモノチューブタイプで電子制御式のBilstein DampTronicを採用している。ステアリングラックには、レーシングカーと同様に高い精度を生み出す4点マウント方式の高剛性アルミ一体型を採用した。
2011modelからは、スプリング、ショックアブソーバーおよびスタイビラザーのレバー比効率を高め、タイヤの接地荷重応答の向上に貢献。
また、フロントキャスター角を増加させ、転舵時のタイヤ接地性や直進時安定性を向上させている。
※Bilstein DampTronicは、ドイツThyssenKrupp Bilstein Suspension GmbHの登録商標です。
サスペンション・タイヤ・ブレーキ
フロントと同様、プレミアム・ミッドシップパッケージが提供する4輪接地荷重の最適バランスを生かすために開発されたリヤマルチリンク式サスペンションにも、レーシングカー並みの高剛性と高精度を追求した。例えば、トランスミッションのマウンティングを兼ねた立体型パイプフレーム一体型のメンバーは、6点マウント構造を採用。同時に燃料タンクのガード機能も持たせている。さらに、アルミ製のアッパーリンクとロアリンクの一部にはピロボールを採用し、大入力時のアライメント変化を最小限にするとともに、タイヤからの接地感をドライバーにきちんとインフォメーションできるよう設計した。また、サーキット走行から雪道まで、あらゆる路面で超高性能タイヤを理想的な接地で使い切るよう、特にロールセンターの移動量とキャンバー変化、トー変化など設計の狙いを正確に実現する高精度ジオメトリーを開発している。
高精度スプリングはフロントと同様のバネレート変化型、ショックアブソーバーはBilstein DampTronicである。
さらに2010modelからは、ロールセンター高さの低下とトー特性を変更。
これにより、旋回時のグリップ力の向上と、ドライバーの「尻感覚」のつかみやすさを実現している。
※Bilstein DampTronicは、ドイツThyssenKrupp Bilstein Suspension GmbHの登録商標です。
サスペンション・タイヤ・ブレーキ
2012modelでは、サスペンションのセッティングが左右で異なる、左右非対称セッティングを導入。
GT-Rは前輪を駆動するプロペラシャフトが中心からわずかに右側にあり、ドライバーも右側に乗るため、停車時の重量は若干右側が大きくなる。
これを走行中は左右の車輪に均等に荷重がかかるようサスペンションの絶妙なチューニングを行った。
これにより、4輪のタイヤ接地荷重のバランスを向上させ、コーナリングの安定感だけでなく乗り心地のフラット感も高めている。
さらに、ステアリングを動かした瞬間に伝わる反力感や滑らかさまでも向上。
走りの飽くなきこだわりと、かつてない発想が、想像を超えるドライビングフィールを実現している。
サスペンション・タイヤ・ブレーキ
GT-Rはあらゆる走行シーンに対応するため、ドライバーの意思で切り替えできるセットアップスイッチによってサスペンションの減衰力を選択できるモード設定型電子制御式のショックアブソーバーBilstein DampTronicを採用している。
減衰力の電子制御は、11種類の車両データから最適に行われ、基本設定ポジションであるNORMALモードでは最もオールラウンドな可変制御セッティング、COMFORTモードではラグジュアリーな乗り心地を提供する可変制御セッティングとなる。さらに、サーキットやワインディングロードでスポーツドライビングを愉しむ時は、Rモードを選択することで電子制御による可変制御を行わず、最も減衰力を高めたハードなセッティングとなり切れ味鋭いGT-Rにしかない超高性能な走りを味わえる。
常に進化を求める開発の結果、ショックアブソーバーはよりハードなコンディションでの走行でも減衰力がだれない新型バルブを採用することで、より精度が高まり、乗り心地が向上。また、フロントトランスバースリンクブッシュの剛性を高めて操縦性も向上している。その成果は、街乗りなどの一般道における快適さのみならず、スポーツ走行時でのハンドリングでも体感できるに違いない。
2010modelから、常に安定したタイヤの接地とドライバーの意思にすばやく反応する荷重移動を実現するため、レーシングカーで採用されているアルミ製フリーピストン仕様のショックアブソーバーを新採用。
ピストンの精度と剛性の向上により安定したオイル流量確保による高精度な減衰力の発生が可能となり、さらにはショックアブソーバーのフリクションを低減することで、上質で滑らかな乗り心地も両立している。
※Bilstein DampTronicは、ドイツThyssenKrupp Bilstein Suspension GmbHの登録商標です。
サスペンション・タイヤ・ブレーキ
GT-Rの超高性能な走りを受け止めるブレーキシステムには、前輪はφ390mm、後輪はφ380mmの超大径ブレンボ製フルフローティングドリルドローターに加えスチール系の高剛性パッドを開発。
サーキット走行でのハードな使用条件にも信頼できる高い制動性能と、繰り返しのブレーキングにも安定した能力を発揮する耐フェード性能を備えた。
キャリパーは、フロントに対向6ポッド、リヤには対向4ポッドのブレンボ製アルミモノブロックキャリパーを開発。剛性と軽量化を両立させ、強靭な制動力を発揮する。
また、ドライバーのペダル踏力を確実にパッドに伝え、常に安定した制動力を発揮するために、ペダルアームからキャリパーまであらゆる部品のロスを低減したシステムを実現した。キャリパーの取り付け構造も、レース技術を応用し極めて剛性の高い構造としている。さらに熱変形を抑制させるフルフローティングローターは、ディスク内部にダイヤモンド型ベンチリブ構造、摺動面にドリルホールを施し高い冷却性を実現している。
この高性能ブレーキシステムの高次元のポテンシャルをフルに引き出すため、十分な液量を確保する大容量マスターシリンダーを開発した。
ハード走行ブレーキング時において、液圧のロスを防ぐためにブレーキホースの剛性を向上。また、ローターへの追従性が良いブレーキパッドの採用により高温時のコントロール性の向上やロングライフ化など、デビュー後も熟成を重ねてきたブレーキシステムである。
2011modelより、日産新開発の「薄型大径フロントローター」を採用し、さらなる制動力の向上はもちろんのこと、高温時での耐フェード性能も向上。
また、ローター内温度を均一にし、かつパッドの温度やパッド表面の圧力を下げることで、効きの向上だけでなく、スポーツ走行時の寿命向上も実現している。
コックピット
GT-Rは、世界最高峰の走りを実感させるスポーティさの中に垣間見せる上質さとエレガントさを目指して、発売以来インテリアをリファインさせてきた。
コンソールや空調アウトレットのリング部、ステアリングなどはクローム加飾のブラックスモーク処理を行い、インテリア全体によりブラックの印象を高めながら、センターにはリアルカーボン製のクラスターフィニッシャーを採用し、より精悍に。
モニター周りのパッド形状は丸みを帯びたラウンド形状とするとともに、ステッチラインも変更してパッド面の豊かな質感を実現した。加えてステアリングのGT-Rエンブレムには、艶やかな質感あふれるベロアメッキを採用。
パドルシフトはマグネシウムの質感がより伝わる塗装を施している。
その他にも、ドアシールの改良によるドア閉じ感や高速走行時の風音の質感向上から、シートベルトを柔らかい素材に変更してフィット感を高めるなど、隅々に渡ってクオリティを実感できるインテリアへと進化させてきた。
GT-Rのコックピットは、オーナーがクルマをドライビングする際の動作、また助手席に座るパッセンジャーにとっての快適性などを考え、4つのエリアに分けて発想されている。さまざまな走行シーンにおいてもドライビングに集中できる、安全性を追求した。
■スタートエリア
ドライバーズシートに滑り込み、GT-Rを始動させる一連の動作を安全かつスムーズに行えるよう、ひとつのコンポーネントにまとめた。
プッシュエンジンスターターでエンジンを点火し、パーキングブレーキレバーを下ろし、シフトレバーでレンジをセレクトする。GT-Rという特別な存在を意識させる、あたかも儀式のような高揚を感じていただけるだろう。
■ドライバー操作系エリア
シフトレバーから手を離すとすぐに指先が届く場所には、走行状況に合わせたマシンセッティングが簡単に行えるセットアップスイッチ。
そして、吸い付くように手に馴染む本革巻ステアリングホイールとレーシングカーさながらのパドルシフト。
ひとたび走りはじめれば、ステアリングから手を離すことなく新次元スーパーカーの走りを操ることができる。
■視認・情報エリア
GT-Rの超高性能を確実にコントロール下に置くためには、ドライビングに必要な情報だけを効率良く得る必要がある。
そのためにドアミラー、コンビメーター、センターディスプレイを水平配置し視線移動を抑えると同時に、照明の明暗差を設けることで、質の違う情報を遮断するよう配慮している。
■助手席ホスピタリティエリア
たとえ高速コーナリングの途中であっても、GT-Rの助手席に座るパッセンジャーは、それにふさわしい高級感と包まれ感の中になくてはならない。
パッセンジャーのためのドアハンドルとアームレスト、左右独立型の空調、さらには内装というよりむしろ仕立てのよい革のコートのような質感のセーフティパッドを採用するなど、最高のもてなしを表現しながら、安全性も高めている。
コックピット
噛み合ったギヤをモチーフにしたコンビメーターは、コラムマウントをすることでいかなるドライビングポジションでも確かな視認性を約束する。
タコメーターを中央に配し、右上に大型シフトインジケーターをレイアウト。
サーキット走行時も高い瞬読性でドライバーをサポートする。それぞれのメーターはアルミ削り出し調の立体的なリングに収められ、スポーティな印象を醸すとともに、骨太な書体を選ぶことでやはりドライビング中の視認性を高めている。
またメーター内のディスプレイには走りを支えるさまざまなデバイス類の状態を告知するメッセージ、メンテナンス情報、プッシュエンジンスタートガイダンスなどの車両情報が表示される。
2012modelより、タコメーターリング内側のイルミネーションと、シフトアップインジケーターのイルミネーションをブルーでカラーコーディネイト。
ドライバーの視野に常に入るメーターの質感を高め、GT-Rのコクピットをさらに洗練された雰囲気で演出する。
コックピット
ホールド性の高さで定評あるバケットシートが、2011modelより、さらに進化。
GT-R Pure editionとGT-R Premium editionは、座面の形状と長さの延長、そしてクッションストロークを一新し、コーナリング時の腿や腰のホールド感や疲労を軽減。
シートバックも新デザインとし、フィット感を向上している。
助手席には乗り心地を重視し、柔らかいクッション材を採用。
よりリラックスした快適さを生み出している。
GT-R Black editionには、GT-R Pure editionのシートの基本骨格を用い、RECAROのデザインと本革の質感を表現した専用シートを標準装備とした。
サーキットでのスポーツ走行から街中での走りまで、常にGT-Rらしいスポーティさを実感させてくれるシートである。

コックピット
独立型トランスアクスル4WDの採用で、トランスミッションを後方に移したことにより十分な足元スペースを確保。最適なペダルレイアウトが可能となった。また踵からヒップポイントまでの高さもハイスピードドライビングにも最適な200mmに設定している。さらに228mmのロングシートスライド量、30mmのシートリフト量を確保したことで、スーパーカーと呼ばれるカテゴリーの中ではトップクラスの広い乗員カバーエリア144cm〜190cmを実現。また、ステアリングポジション調整のためのチルト・テレスコピックステアリングは、調整時のステアリング角度を最適化するため、あえてステアリングチルトの位置調整の支点が根元になる手動式としている。
コックピット
夜間のワインディングロード。ヘアピンや低・中速コーナーなど、出口の見えないコーナリングには常に不安と危険がつきまとう。GT-Rのために開発されたスーパーワイドビームヘッドランプは、これまで見えにくかった車両前方の側方方向に照射エリアを広げ、コーナーの先を見えやすくすることによってアクティブセーフティ性能を向上させている。プロジェクタータイプヘッドランプに補助反射板を3枚追加することで、車両側方を広範囲に照射しながらも、周囲の車両に対して眩しさを与えない配光を実現した。
また、スーパーワイドビームは一般的なフロントフォグランプの照射範囲も内包した照射範囲になってるため、フロントフォグランプは必要がない。
この新次元のヘッドランプによって、夜間であってもGT-Rのハイパフォーマンスを存分に愉しむことができる。
コックピット
マルチパフォーマンス・スーパーカーとしてGT-Rは、これまでにない走りの愉しさを数多く創造してきた。そしていま、またひとつ新たな走りの世界を提案する。それは、自身のドライビングデータを多岐に渡って解析することのできるデータロガー機能。サーキットなどでのスポーツドライビングの愉しさを、ドライバーズシートから降りた後も堪能していただくために、NISMOと共同で開発したGT-R専用のデータロガー解析システムである。
※別途NISMOより販売。
●実際の走行G・アクセル開度・ステアリング舵角・走行ラインなど、自身のドライビングデータをUSBポートによって抜き出し、解析することが可能。
●ラップセンサーによって、サーキットごとのドライビングデータを記録。過去の走行履歴や他者とのデータ比較など、多岐に渡る精度の高い解析が行える。