マイナーチェンジ

スポーツカーの正常進化 プラス9PSの実力

デビュー翌年、63年もスポーツカーには記念すべき年となった。5月3日、第一回日本グランプリレースで、スポーツカーBクラスでフェアレディは優勝。そのイメージを国内でも大いにアピールした。また、ホンダはこの年、ホンダスポーツS500を送り出した。DOHCヘッドと負圧タイプの4連キャブレターを持ったその小さなエンジンは44PSと4.6kg-mを発生。まさしくスポーツカーの時代が動き出したのである。

そんな時代と同調するように、フェアレディにもマイナーチェンジが6月に施された。それはまさしくスポーツカーの正常進化ともいえるものだった。 その手法は、フェアレディ1500に搭載されるG型エンジンにツインキャブレターとデュアルエキゾーストを加え、吸排気効率を上げることで、ドライバーがアクセルペダルに触れた瞬間をより正確に捕らえるべくレスポンスの強化が計られたのだ。また、圧縮比も8.0:1から9.0:1に上げることで、レスポンスの鋭さをより強調する仕様になっている。

全く同じ排気量ながら、最高出力は80PS/5,600rpm、最大トルクは12.0kg-m/4,000rpmとアップ。それぞれ9PSと0.5kg-mの上昇だが、その発生回転600rpm、800rpm上方に移動され、そのドライブフィールは初期型のドライバーに悔しい思いをさせたに違いない。
もちろん、エンジンルームの眺めも一変し、ツインキャブの装着に伴い、カムカバーはクルームフィニッシュから冷却フィンを刻まれた形状のものに変更されている。また、同じファイナルレシオを持ちながら、パワーアップしたことでややハイギアードなレシオを1〜3速に与え、豪快かつ息の長い加速を楽しめることになった。価格は3万円アップの88万円である。
この年、11月にハードトップが発売されている。

2シーター

新たに2シーターを加えたフェアレディ

翌64年3月、フェアレディ用レーシングキットを発売。デビューから2年の経過したフェアレディはスポーツカーとしての地位をさらに明確に印象づけていた。第二回日本グランプリでは、GT1300〜1600ccのクラスで優勝。総合でも2位に食い込む活躍を見せていた。ホンダはホンダスポーツS600を発売。その車重は715kgと軽量だった。

この年、フェアレディはそれまでの3シーターから2シーターへと変更をうけている。この改良でシートスライドは160mmに増加。アームレストタイプのコンソールボックスの追加、内装の変化が見られる。また、ダッシュボードの形状も変更され、メーターパネルが大径4連メーターから、速度、回転計を大きく、電流、油圧、水温などのメーターを小型化。スポーツカームードを高める変更も施された。ラジエターの冷却能力を向上させるなど細かい変更を加えられたものの、エンジン出力、シャーシ等に変化はない。1500を搭載する3型とも言えるこのモデルで、その特徴的だった格子型のラジエターグリルは姿を消すことになる。
車両価格は据え置かれた。またスペック上では全高1,275→1,305mm、
最低地上高160→170mmと変化がみられる。

1962年・円相場:1$=360円

SP310
FAIRLADY