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やっぱりオープンスポーツは大人気

 次に目に入ったのがBMWのブースだった。なんたって、そのディスプレーの手法が凄い。Z3が3台、天井に向かって立ち、観衆を呼び寄せている。ライトブルー、シルバー、そしてブラックのZ3は、それぞれ魅力的な内装色を与えられている。

BMWのブース

 その登場以来、注目度は高かったが、97モデルでラインナップされた2.8リッターストレート6の登場でいよいよ注目度も高まった。おまけにライバル、メルセデスベンツSLK、ポルシェ・ボクスターの登場で俄然活況を呈してきたオープンスポーツマーケットで、ライバル達よりもリーズナブルな価格設定で人気を集めているのだろう。
Z3 その周囲は常に人垣がかこみ、回転するテーブルの上に置かれたZ3には何本もの視線がささり、そのドライバーズシートは次から次へと観客が腰を下ろす。この2.8を積むZ3のかなり膨らんだリアフェンダーの幅も、スリムな1.9リッター・4気筒を積んだモデルよりここでは訴求力がありそうだし、本当はこちらが本命なのでは、と思わせるほどの完成度を見せていたのが印象的だ。


その隣はポルシェ。

 価格的なセグメントはちょっと変わるがZ3のライバルと言えばポルシェのボクスター。こちらは、BMWのフレンドリーな展示スタイルとはちがって、距離を置いて眺めるようにバリアを設けた方法が取られていた。そう、高級で一定のスタンスを取るような作意が見て取れる。
V10エンジン ドイツナショナルカラーでもあるシルバーのボディーがまぶしいボクスターとその隣に356スパイダーが並べられていた。その2車の間にある時の流れは小さくないものの、絶対的な性能だけでは語れないスポーツカーの魅力が伝わってきた。でも、ちょっと展示台が高くて近寄りがたい感じで残念だったけど・・・・。


ベンツも新型クーペのコンセプトモデルでエントリー。

 メルセデスベンツもBMW同様、新しいオープンスポーツ、SLKで人を集めていた。とくに、ルーフの開閉はちょっとした見せ物として人の足をとめていた。その軽いボディーカラーは、これまで重厚路線だった同社が、今後、コンパクトなパッセンジャーカー、SUVにも参画してくる仕掛けとしてちょっとだけ若々しいコーポレートアイデンティティを自ら吹き込んでいるようにも感じられる。

V10エンジン
V10エンジン
V10エンジン
 でも、シカゴショーでもっと驚いたのはこのクーペ。その空気抵抗の少なそうなマスクとこれまた徹底したフラッシュサーフェイス化されたテール。ベンツのマークがなかったら一瞬その出所が分からないほどのキャラクターになっている。写真のように真上に開くドアなら、巨大な2枚のドアを隣の車やガレージの壁で傷つけることもあるまい。
 なにより、ややSF的なスタイルが異様な存在感を出していた。なんだか、サンダーバードに登場するペネロープ号を連想させるほど広いグラスキャノピースペースを持っている。これが次世代のSECになるかは断言できないけど、バンパーのアルミ色をしたエアスクープなんか、とても魅力的なディテールをもつ一台の登場に間違いはなさそうだ。


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